【 JAARAで散歩】秘密の小径を抜けてパブリックアートを見る 青山一丁目駅へ

         


 
 この休みはどこかへ出かけますか? 青山一丁目駅で降りるなら寄り道をして、2つのパブリックアートをつなぐ〝秘密の小径〟を歩くのはどうでしょう。都会の喧騒を離れた異空間の雰囲気を一瞬だけ味わえます。近くにはベンチもあり、腰かけて一休みできるので、目的地へ向かう前に気分転換もできますね。
 神宮前―青山―赤坂―六本木―麻布(JAARA)は歩くだけで楽しい街。目的があれば歩くのがいっそう楽しくなりますね。
※ JAARA(ジャーラ)は[神宮前―青山―赤坂―六本木―麻布]の街の連なりを指す造語です。

§ アートの脇に道の入口

 地下鉄青山一丁目駅の奥の方、らーめん直久から本屋さんの先の階段を上って地上へ出て、左へ行くと、赤坂消防署発祥の地記念碑のモニュメントがあります。
 

 
 赤坂消防署は大正十年(1921年)にこの地に設置され、昭和三十年(1955年)まであったと説明されています。モニュメントは火消しの纏(まとい)の形でしょう。微妙なバランスで接地しています。
 

 
 このモニュメントの手前、駅沿いの南側は自転車の駐輪場になっています。その脇に、なにやら小径が延びています。
 

 
 〝都会の林道〟のような風情。人知れず存在する〝秘密の道〟を抜ける感じです。短い距離ですが異空間の雰囲気を味わえます。
 

§ 水のない池

 そこを抜けると、広場になっています。中央には、「石の華」と題した石像が設置されています。
 

 
 銘板には「インサイドアウト 石の華 1990年3月 菅原二郎」と書かれています。https://ecru-no-mori.jp/artist/jiro-sugawara/菅原二郎さん(すがわら・じろう)は、1941年、奈良県生まれの彫刻家。大阪芸術大学教授、二科会理事などの経歴をお持ちのようです。
 

 
 周囲の円形のしつらえは、かつては池だったと思われます。石の華の根元から水が湧き出し、同心円の形に広がっていたのでしょう。ツインタワーの姿を水面に映していたかもしれません。
 20年ほど前に初めてここを通りかかりました。それからいままで、水を見たことがありません。この池が水をたたえていた頃は、世の中全体が泡に満たされていたのかなあ、などと思います。

§ 憩いのテラス

 石の華の公園と背中合わせの場所には、東西のツインタワーの間のテラスがあります。
 

 
 この煉瓦の壁の前も、かつては水をたたえていたのでしょう。
 いまは水はありませんが、テラスは広々としていて、一段高いスペースには腰掛けが設置され、憩いの場所になっています。

§ 秘密の小径とパブリックアートのまとめ

 知らない小径をあるくのは楽しいもの。思いがけず都会で出会うと心が動きます。エアスポットのような場所があるものです。きょうもいい一日になりそうです。
 
【 JAARAで散歩】青山で散歩
 ▽スケールの大きなストリートアートを見に 北青山のブラジル大使館へ
 ▽明治の軍人の気概に触れる 旧乃木邸へ
 ▽黄金色のトンネルを抜けに 明治神宮外苑のイチョウ並木へ
 ▽おもしろい絵本と出会いに 北青山の「伊藤忠SDGsスタジオ」へ
【 JAARAで散歩】青山で食べ飲み
 ▽おしゃれな街で気安く食事 北青山の『青山ふーちん』さんへ
 ▽南青山にひっそりと存在する謎の居酒屋の原点『中西』さんへ