ウクライナのバレエダンサーに踊る場所を!日本に迎え入れて応援 【ダンスとコリオ】

         

 戦乱の続くウクライナからバレエダンサー2人を日本に迎え入れ、ダンスを応援している女性がいます。兵庫県・淡路島を拠点に活動する国際的なバレエダンサー針山愛美(はりやま・えみ)さんです。10月17日付の『日本経済新聞』朝刊に「ウクライナのダンサー、淡路島へ」との記事で紹介されていました。「ダンスが人生と考えるダンサーに踊り続ける場を提供したい」「遠い異国の日本でも、胸を張ってダンスに取り組んでほしい」。そんな思いが伝わります。

§ 「踊りがあったから今の自分がいる」

 針山さんの略歴は、ご自身のHPによると、ボリショイバレエ学校を首席で卒業。モスクワ音楽劇場バレエ団のほか、ドイツ、米国のバレエ団でプリンシパルとして、ウラジーミル・マラーホフ率いるベルリン国立バレエ団で10年間活躍。レニングラード国立バレエに招かれ『白鳥の湖』と『ジゼル』に主演。モスクワ国際バレエコンクールで特別賞、ニューヨーク国際バレエコンクールで銅メダル(日本人初)、パリインターナショナルコンクール銀メダル(金メダル無し)―とのことで、国際的に活躍しているダンサーです。
 ウクライナの国立バレエ学校での指導経験もあるといい、ウクライナを心配する思いが強かったのでしょう。
 針山愛美オフィシャルページ (emihariyama.com)
 
 5月に来日した2人は、リビウの国立歌劇場に所属していたとのこと。針山さんが企画した8月のチャリティー公演、10月2日に大阪府豊中市で行われた「One Heart 2022」という公演に出演してダンスを披露しています。受け入れ準備からの様子はテレビで報道されていました。
【衣装も思い出の品も持たず…淡路島に避難したウクライナのバレリーナが伝える祖国のバレエ】 読売テレビニュース


 この中で針山さんは「私は人生で、バレエとか踊りがあったから、いま自分がいると思うんです。同じような考え方を持ったウクライナの方、踊れない環境にいる方を助けたい」と話しています。

§ 胸を張って過ごせるように

 2人の生活やチャリティー公演の様子の報道もありました。
【日本で再出発】ウクライナから避難のバレエダンサー 支援をする側と受ける側それぞれの思い【兵庫・淡路島】ABCテレビニュース


 針山さんは受け入れ側として「プロのダンサーとして生活できる環境を用意する」ことに心をくだいているといいます。「バレエの公演や教室の仕事をする中で、胸を張って日々を過ごせるように」
さまざまな人が2人を応援していることでしょう。ニュースでは、パソナグループが2人を社員として雇用し、活動と生活を支援していることが紹介されていました。
 
 日本での生活が安定し、活躍の場が広がればいいなとは思います。けれども、家族と離れ離れで暮らすことは、つらく、心配が尽きないことでしょう。ウクライナの戦乱が収まり、祖国へ帰る日が早く来ることを願わずにはいられません。

§ ウクライナのバレエダンサー応援のまとめ

 チャリティー公演の終盤はベートーベンの第九の合奏とダンスが重なり合います。大阪での公演もそうだったとのこと。胸にしみます。