秋篠宮家の悠仁親王が父親と一緒に鹿児島県を訪れ、第47回全国高校総合文化祭の総合開会式に出席した。悠仁親王は筑波大付属高の2年生。地方公務で親に同行するのは初めてだ。成年になれば公務を行い、いずれ天皇になるだろう。彼には「帝王学」が必要だという意見もあるが、現代の天皇は「帝王」ではない。どんな教育が必要だろうか。
¶ 悠仁親王に必要な教育はなんだろうか
悠仁親王に学んだらよいのは、天皇とは何者か、天皇が日本の社会で果たしている(果たしてきた)役割は何かということだと思う。彼は将来天皇になることがほぼ確実である。将来の自分の「職業」を知ることは必要であろう。その職業に就くのであれば、そこで何を果たすのかを知ることが必要であろう。
§ 納得して位に就くために
まず天皇の果たす役割について学んでもらうのがよいだろう。古代、中近世から近現代までの天皇の歴史を知ることが重要になるだろう。
これと現行の日本国憲法下で天皇の果たしている役割、期待されている役割について、現実に天皇が活動している実相について知ってもらうことも重要だろう。
なぜ重要かというと、彼は当然に天皇になるからではなく、彼が納得した上で位に就くというプロセスのために、必須だと思う。
彼に就位を拒否する余地はほとんどないが、できるなら、納得の上で位に就いてほしい。そのための知識を得て、よく考える時間を持ってもらいたいと思う。
§ よりよく務めるために
彼が納得して天皇になるのなら、彼自身の天皇観を抱いているはずだ。天皇として必要な知識は天皇観に基づくから、彼が学ぶべき事柄は彼が決められる。
彼の天皇観の中には、日本国憲法の天皇規定が含まれているだろうし、伝統的な天皇の存在も包摂されているだろう。
日本国民統合の象徴の天皇として、伝統的な日本文化の中心的存在として、日本の文化についての知識は必要になってくるのではないだろうか。
同時に、日本国の象徴として外国と交際するので、国際人としての教養も必要になる。
この意味で、明仁上皇夫妻が自分の子どもたちに、日本の古典文学に親しむようにさせ、世界の歴史地理について関心を持つようにさせたのは、非常に有意義なことだったと思われる。
§ 天皇観を得るために
先ずは、本人が自分の将来に納得して前進できる知識を得てもらうことが重要だ。彼に彼が納得する天皇観を形作ってもらう。
天皇の存在は時代とともに変遷しているので、天皇の歴史と現代の社会情勢を踏まえた天皇の活動の現実を学ぶことが最も重要だと思われる。合わせて、日本文化についての上質の教養、国際人としての上質の教養を学ぶことになるのだろう。
(2023.8.12 皇室王室勉強家・以出江 凡)
¶ 日誌
天皇 皇后 愛子内親王
▽7月30日(日曜)
【天皇】明治天皇例祭の儀(皇居・宮中三殿の皇霊殿)
秋篠宮家
▽7月29日(土曜)
【秋篠宮・悠仁親王】鹿児島市入り。第47回全国高校総合文化祭(総文祭)の総合開会式に出席。筑波大付属高2年の悠仁親王が地方公務に同行するのは初めて
▽7月30日(日曜)
【秋篠宮・悠仁親王】(鹿児島県を訪問中)鹿児島市で全国高校総合文化祭の会場を巡り、自然科学部門や美術・工芸部門を視察。帰京
▽8月1日(火曜)
【佳子内親王】全国高校女子野球選手権決勝を観戦(兵庫県西宮市の甲子園球場)
■佳子さま、甲子園で女子高校野球決勝戦を観戦 バックスクリーンに映し出され笑顔で会釈 – 高校野球 : 日刊スポーツ
上皇 上皇后
▽7月28日(金曜)
【上皇・上皇后】那須御用邸(栃木県那須町)から帰京
宮家
▽7月30日(日曜)
【彬子女王】明治天皇山陵例祭の儀(京都市にある明治天皇陵「伏見桃山陵」)
一般
▽7月28日(金曜)
【事件】宮内庁関係者などを名乗り、皇室への献上名目で福島市の農家からモモをだまし取ろうとしたとして、福島県警は詐欺未遂の疑いで東京都練馬区の職業不詳の容疑者(75)を逮捕した
▽7月31日(月曜)
【事件】茨城県筑西市が「宮内庁へ献上された」と広報紙に掲載していた複数の農産物が、実際には献上されていなかったことが分かった
▽8月2日(水曜)
【英王室】ヘンリー王子が9日に東京で開催される国際スポーツ振興協会(ISPS)のイベント出席のため訪日するとわかった。王子の訪日は約4年ぶり
¶ 関連サイト
宮内庁HP
【天皇皇后両陛下のご日程 令和5年(7月~)】
【秋篠宮家の御日程 令和5年(7月~)】
メディア
皇室ウイークリー 産経新聞
皇室7days 朝日新聞DIGITAL
【皇室の話題】
▽天皇の〝本質〟とは何か、それは誰によって形作られるのか(2023年6月2日~8日)
▽皇室は伝統文化継承の担い手(2023年5月26日~6月1日)
▽天皇の存在を国民に印象付ける活動の場面とは何か(2023年5月19日~25日)
▽上皇、上皇后が皇室に存在する意味とは(2023年5月12日~18日)
▽英国と日本、神さまと王権との関係の違いは(2023年5月5日~11日)
▽天皇・皇族を縛る〝掟(おきて)〟とは(2023年4月28日~5月4日)
▽雅子皇后の苦悩とは何か、どこから来るのか(2023年4月21日~27日)
▽短期と長期 どちらがほんとの「お得」なの?(2023年4月14日~20日)
▽皇室の生きづらさとは(2023年4月7日~13日)
▽天皇の「お得感」の歴史的な変遷とは(2023年3月31日~4月6日)
▽天皇・皇室についてもやもやした時に考えてみること(2023年3月24日~30日)
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▽皇室の存在の「お得感」とは何か(2023年2月17日~23日)
▽皇室の情報発信 何を伝えるのか(2023年2月10日~16日)
▽あるべき姿、役割をどうとらえるのか(2023年2月3日~9日)
▽佳子内親王が願う「幅広い選択肢を持てる社会」(2023年1月27日~2月2日)
▽愛子内親王の和歌に注目集まる(2023年1月20日~26日)