六本木交差点から外苑東通りを少し行くと、外務省外交史料館があります。幕末以来の日本の外交史料を保存する外務省の公文書館です。 その玄関に、沖縄に古くから伝わる守り神「シーサー」の像があります。沖縄の風土が培った「壺屋焼き」です。その「獅子」の表情を味わいに行きましょう。
神宮前―青山―赤坂―六本木―麻布(JAARA)は歩くだけで楽しい街。目的があれば歩くのがいっそう楽しくなりますね。
※ JAARA(ジャーラ)は[神宮前―青山―赤坂―六本木―麻布]の街の連なりを指す造語です。
§ 外務省のはなれ
外交史料館は、幕末から1980年代後半までの史料を所蔵。外務省などが作成した「外交史料」と、団体・個人から寄贈された「個人文書等」で構成され、所蔵資料は12万点(令和3年4月)。一部は申請すると見ることができます。
シーサーの像はその資料館の玄関にあります。
視線の鋭さはもちろん、眉毛やひげ、口からのぞかせる下から、力強さと威厳が感じられます。
隣は外務省飯倉公館というレセプションや食事会をしたりするための施設。外務省のはなれのような場所です。場合によっては車がたくさん出入りしている時があります。
■外交史料館|外務省
■飯倉公館―打ち解けた会談を演出する外交施設 | 衆議院議員 岡田かつや
§ おおらかな記載
台座には、このシーサーの由来が書いてあります。
「九州・沖縄サミット開催を祈念し」となっていますが、「記念し」なのでしょう。タイトルは「2000年九州・沖縄サミット開催記念 壺屋焼チブルシーサー」となっています。
「祈念」は願うという意味であるところ、このシーサーの設置は2002年の3月です。終わった後に「記念」したのでしょう。
こういうのが普通に刻まれているところには、外務省のおおらかさを感じます。
■特設記念ページ「外交史料館開館50周年」|外務省
§ 伝説の守り神
シーサーは伝説のけものの像で、魔除けの意味があるそうです。守り神でもあるのでしょう。始まりは17世紀で、源流は古代オリエントのライオンとの見方があるようです。
壺屋焼は、これも17世紀に源流を発する焼き物で、上焼と荒焼があるとのことです。上焼は、釉薬を使ったもので日常生活用品が多く、荒焼は酒甕、水甕類などの大型の容器を中心に作られているとのことです。
このシーサーは荒焼なのでしょう。
沖縄県那覇市壺屋
■シーサー – Wikipedia
■シーサーの置き方と設置方法
■壺屋焼とは | 壺屋陶器事業協同組合
§ 歴史がきちんと伝えられますように
外交史料館は未公開の資料がたくさんあります。研究者にとって、国民にとって大事な史料を保管しているところです。日本の歴史がきちんと伝えられていくように。その願いをシーサーに込めたいと思いました。きょうもいい一日になりそうです。
【 JAARAで散歩】六本木で散歩
▽芸術としてのベンチとベンチとしての芸術 六本木・けやき坂へパブリックアートを見に行く
▽若手アーティストの壁画を見に 六本木へ
▽ビルの谷間の神域 六本木・麻布でタイムスリップする
▽大画面の壁画の迫力 赤坂・六本木の地下鉄駅へ
▽雨に消える透明な椅子 六本木・けやき坂のパブリックアート
▽デザイン・アートの街にアートを見つけに 六本木交差点へ
▽ロアビルの囲いの壁面に現れた「kawaii」を見に六本木へ
【 JAARAで食べ飲み】六本木・西麻布で食べ飲み
▽点心を心おきなく 六本木の『歩高里(ブルゴーニュ)』さんへ
▽オーガニックワインと十割蕎麦 六本木の『莉々庵』さんへ
▽食事メインでお酒もお手頃 六本木の『蕎麦六本』さんへ
▽おいしい上質の焼き鳥を食べに 西麻布の『一歩』さんへ
▽六本木の気楽な居酒屋さん 『松ちゃん』へ
▽西麻布の味わい深い焼き肉屋『胡同』さんへ