【 JAARAで散歩】機械仕掛けで動く人形を見て、ひとときのファンタジーに浸る

         


 
 機械仕掛けの人形が時刻に合わせて登場し、音楽とともに時を告げる―。「からくり時計」は心がわくわくするとともに、ファンタジーの世界を感じます。ヨーロッパでは中世の頃からあったようで、日本でもさまざまな場所にあります。六本木のサントリーホールの「からくり」は正午と、開場前に演奏されます。見てみましょう。
 
 神宮前―青山―赤坂―六本木―麻布(JAARA)は歩くだけで楽しい街。目的があれば歩くのがいっそう楽しくなりますね。
※ JAARA(ジャーラ)は[神宮前―青山―赤坂―六本木―麻布]の街の連なりを指す造語です。

§ 本格のパイプ演奏

 サントリーホールの「からくり」はパイプオルガンだと聞いていました。待っていると、入口上の壁の一部が開いて、鍵盤のような連なりとラッパがたくさん出てきます。「パイプオルゴール」といい、ホールのパイプオルガンと同じ材質なのだそうです。本格的ですね。
 

 

 
 ■ホワイエ、エントランス、カラヤン広場、バックステージ ホール・施設のご案内 サントリーホール
 
 時を刻むようなシンプルな音色と共にラッパがせり出してきて、バロックの舞曲のような音楽を奏でました。演奏は1分くらい。出てくるのと引っ込むのにそれぞれ2分くらいかかります。
 
 入口の前は「カラヤン広場」という広場になっており、池に滝が落ち込んでいます。
 


 
 広場にあるモニュメントのタイトルは「響き」。
 


 
 作者の五十嵐威暢(いがらし・たけのぶ)さんは、カルピスや旧明治乳業のロゴをつくったり、MoMAのショッピングバッグをデザインしているスゴイ人です。以前に別の記事でもご紹介しました。
 
 ■【 JAARAで散歩】さりげない所にスゴイ人の作品が 麻布十番にパブリックアートを見に行く
 
 ホールのロゴも五十嵐さんのデザインです。
 

 
 モニュメントは、真上から見るとこのシルエットになるそうです。
 

 
 ■【アートのまめちしき】このマーク、何を表しているのか分かるかな? おんがく サントリーアートキッズクラブ
 

§ むかしは鳩時計がありました

 「からくり」は、「そういうからくりだったのか」というように「仕掛け」のことですが、「からくり時計」というと、人形や物が時刻になると機械仕掛けで動く時計という意味になっているようです。
 
 ■からくり時計 – Wikipedia
 
 むかしは「鳩時計」というのがよくありました。松ぼっくりを大きくしたような錘(おもり)が印象的でした。今でも売られています。
 

 
 お人形が動くのもありますね。プレゼントのために購入する人もいるでしょう。
 

§ ジブリの時計はいろんな動き

 JAARAではありませんが、汐留の日本テレビには「宮崎駿デザインの日テレ大時計」があります。ジブリの世界を思い浮かべます。そのままでも凝った造りです。
 

 
 下の写真が動いているところ。明かりがともったり、時計の針が動いたり、脚がくわえている球が開いたり、大砲が発射されたり、いろいろな動きをします。
 
 動く時刻は
 月~金:12:00、13:00、15:00、18:00、20:00
 土・日:10:00、12:00、13:00、15:00、18:00、20:00
 ※毎回、およそ3分前から演出が始まります。
 
 ■日テレ大時計 日テレプラザ|日本テレビ

 ■宮崎駿デザインの日テレ大時計 | スタジオジブリ 非公式ファンサイト【ジブリのせかい】
 

§ からくり時計のまとめ

 考えてみると、時間はセンチメンタルな概念です。時計は「いま何時か」を確認できればいいわけですが、そこに音楽や人形の動きが加わると、時間がファンタジックな波動に感じられます。きょうもいい一日になりそうです。
 
【 JAARAで散歩】六本木で散歩
▽芸術としてのベンチとベンチとしての芸術 六本木・けやき坂へパブリックアートを見に行く
▽若手アーティストの壁画を見に 六本木へ
▽ビルの谷間の神域 六本木・麻布でタイムスリップする
▽大画面の壁画の迫力 赤坂・六本木の地下鉄駅へ
▽雨に消える透明な椅子 六本木・けやき坂のパブリックアート
▽デザイン・アートの街にアートを見つけに 六本木交差点へ