【 JAARAで散歩】母と子のきずな 麻布十番でパブリックアートを見る

         

  今度の休みはどこかへ散歩に行こうかな。そんなとき、街角の芸術作品=パブリックアート=を見に行くのはどうでしょうか。今回は麻布十番商店街の周辺にある作品をご紹介します。共通するテーマは「微笑(ほほえみ)」。子どもを思うお母さんの心を感じる作品を見ることができます。

  神宮前―青山―赤坂―六本木―麻布(JAARA)は歩くだけで楽しい街。目的があれば歩くのがいっそう楽しくなりますね。

※ JAARA(ジャーラ)は[神宮前―青山―赤坂―六本木―麻布]の街の連なりを指す造語です。

§ 赤い靴の女の子 きみちゃん

  今回のスタート地点は麻布十番商店街のほぼ中央に位置する「豆源」さん。建物に案内標識があります。
 

 
 それに従ってまず、「きみちゃん」像を訪れてみます。
 

 
  「きみちゃん」は野口雨情の童謡「赤い靴」の詩のモデルです。赤ちゃんの時、アメリカ人宣教師の養女に出され、お母さんはきみちゃんがアメリカへ行って幸せに暮らしていると思っていました。お母さんから話を聞いて、野口雨情は詩をつくりました。ところが、きみちゃんは病気のためアメリカへは行けず、明治四十四年(1911年)に麻布永坂町の孤児院で亡くなったとのことです。享年九歳。

  像はブロンズと赤御影石でつくられ、身長は60センチほど。どことなく悲しげながら、希望を見失ってはいない表情に見えます。きみちゃんは一人で立っています。けれどきっと、会うことのかなわなかったお母さんに、自分が生きていることを最後まで伝えようとしていたのではないか、という思いが浮かびます。

§ 2組の母と子

  麻布十番通りに戻ると、歩道に沿って二つの母と子の像が設置されています。

未来を見据えて

  ひとつはこちら。永坂更科布屋太兵衛さんのお店の前あたりにあります。
 

 
  韓国の LEE WOON SIK(李雲植)さんという人の作品。タイトルは「MOTHER AND CHILD 母と子」。お母さんが、ひざに抱いた子どもの前途に広がる未来を見据えているようです。

ぬくもり与えて

  もう一つは、そこから少し豆源さん側に近いところにあります。
 

 
  タイトルは「SMILE 微笑み」。パキスタンのアンジャム・アヤズさんという人の作品です。丸みのある曲線がぬくもりを感じさせます。
 
  この二つの母子像は、麻布十番の「微笑みのモニュメント」という12カ国の外国の作家による彫像作品のシリーズに連なる作品です。

§ 麻布十番の母と子のモニュメントのまとめ

  今回は麻布十番にある母と子のきずなを感じさせるパブリックアート3つをご紹介しました。麻布十番の他のアート作品も見て回りたくなりますね。きょうもいい日になりそうです。
 
【 JAARAで散歩】麻布十番でパブリックアートを見る散歩
▽さりげない所にスゴイ人の作品が 麻布十番にパブリックアートを見に行く
▽人と人とのつながりを思う 麻布十番にパブリックアートを見に行く
▽小さいネズミの大きい存在感 麻布十番にパブリックアートを見に行く
▽潜在する記憶を音でたどる 麻布十番にパブリックアートを見に行く
 
【 JAARAで散歩】麻布十番で散歩
▽麻布十番に美味しいおやつを買いに行く
 
【 JAARAで食べ飲み】麻布十番で食べ飲み
▽ナポリのピザがおいしい麻布十番の「FANTASISTA DUE」へ
▽麻布十番の外観は高級、店内は仲間で楽しむモードの焼き鳥「ももたろう」へ