街を歩くとお店の看板や建物の壁にいい絵が描いてあって、「おおっ」と思ったりします。それがとても有名な人の絵だったりすると、出会えたことがうれしくなります。そして次には、散歩の時にその絵がみられるコースを歩きます。素敵な絵との出会いは、探せばもっとあるかもしれません。
神宮前―青山―赤坂―六本木―麻布(JAARA)は歩くだけで楽しい街。目的があれば歩くのがいっそう楽しくなりますね。
※ JAARA(ジャーラ)は[神宮前―青山―赤坂―六本木―麻布]の街の連なりを指す造語です。
§ ランドマークの壁画
表参道の交差点にある書店「山陽堂」さんの壁には、谷内六郎さんの絵があります。「傘の穴は一番星」。ランドマーク的な存在です。
表参道の交差点に来るといつも、「ああ山陽堂さんがあるなあ」という気持ちになり、壁画を見ると、「いつ見てもいい感じだよね」と思います。
保護のため、随時、カバーが掛かっているとのことです。傷んでも修復する人がいないそうです。
谷内六郎さんは週刊新潮の表紙絵を描いていました。
むかしの週刊新潮のテレビCMを思い出します。
「夕焼け小焼けの赤とんぼ」の音楽がかかり、谷内六郎さんの表紙絵がアップになります。
すると子どもの声で「週刊新潮は、あした発売されます」というナレーションが流れます。
これは発売前日バージョンで、発売当日は「週刊新潮はきょう発売です」になります。
谷内六郎さんについて、天野祐吉さんが文章を書いた銘板が壁画の横にあります。
§ 質感のある透明感
青山通りをずっと東に行って、赤坂の一ツ木通り。ちょっと入ると、お菓子屋さん「しろたえ」さんがあります。白いレアチーズケーキが有名です。マドレーヌもあります。お茶ができます。
池田満寿雄さんの絵が看板です。
この絵の感じが、品の良いお菓子の感じと、しっくりいっています。
シャッターにも池田満寿雄さんが絵が描いてあります。
「EX-LiBRiS」とあるので蔵書票なのでしょう。蔵書に張って持ち主を明らかにする「蔵書票」は、美術作品の一つの決まり形にもなっています。
池田満寿雄さんはいろいろな手法、いろんな描き方をしています。そのなかで共通するのは透明感だと私は思います。肌ざわりのある透明感。素敵です。
池田満寿夫 – Wikipedia
§ もう見られない幻のシャッター
赤坂の一ツ木通りをさらに進むと、かつてはもう一つ見ておきたいところがありました。金松堂書店さんのシャッターです
長谷川町子さんのサザエさん一家です。歴史を感じさせるタッチです。
読んでいる雑誌は、波平さんとフネさんが『週刊文春』(1959年創刊)、サザエさんが『女性自身』(1958年創刊)、マスオさんが『朝日ジャーナル』(1959年創刊、1992年廃刊)、カツオくんが『少年マガジン』(1959年創刊)、ワカメちゃんが『少女フレンド』(1963年1月創刊号、1996年廃刊)です。シャッターの絵が描かれたのは60年代なのでしょう。
2021年の春に閉店してしまったので、いまは見ることができないのでした。
サザエさん – 公式ホームページ (sazaesan.jp)
§ 街の中の名画のまとめ
見ていて気持ちがしっとりする絵が街の中にありました。まだ気付いていない絵に、次には気付くかもしれません。きょうもいい一日になりそうです。
【 JAARAで散歩】赤坂で散歩
▽赤坂一ツ木通りの路傍の石柱は彫刻のパブリックアートだった
▽明治の軍人の気概に触れる 乃木坂の旧乃木邸へ
▽現代日本の建築を見に 青山通りを青山から赤坂へ
【 JAARAで食べ飲み】赤坂で食べ飲み
▽コスパ抜群の赤坂『赤札屋弁慶』さん 改装されてすっきりした雰囲気に
▽コスパ最強のサイゼリヤ 赤坂見附のお店は居心地がいい
▽銘醸の日本酒で〆は細うどん 赤坂の『香吾芽』さんへ 食べ飲み探訪
▽長崎・五島の料理とお酒 赤坂の『赤ちょうちん ぶらり』さんへ
▽陳年18年の紹興酒を飲みに 赤坂の『京華茶楼』さんへ
▽和食と日本酒がおいしい居酒屋さん 赤坂の『ごだいご』さんへ
▽知る人ぞ知る焼肉の名店 赤坂の『大関』へ
▽越後のおいしいへぎそばとは 赤坂の居酒屋『きなせや』さんへ