長い距離を歩くときは、足の裏を意識して退屈を紛らわせる 【歩き方】 単身赴任実録(8)

         

 最寄り駅で降りたけれどバスがない、目的地は少し遠いがタクシーに乗るほどでもない。殺風景な長い道のりを歩くかなくてはならない、いやだなあ……ということが時々起きます。そんなときは、足の裏や姿勢を意識して、退屈をしのぎます。

§ 足の裏の使い方を確認する

 まず、両足のつま先をまっすぐ前に向けるようにして、まっすぐ歩きます。これがなかなかできないものです。敷石の継ぎ目など、道に線がまっすぐ伸びている場合があります。周りに人があまりおらず、気にしなくてよければ、その線に沿ってまっすぐ歩くようにします。
 
 線に沿って右足と左足を交互に前へ出すとき、右足と左足がすれ違うすき間は、こぶし一つ、10cmぐらい空けるようにします。
 
 そして、歩くときに足の裏を意識します。かかとから着地して足の裏で踏みしめ、最後は指の付け根の部分(母趾内転筋橫頭(ぼしないてんきんよこがしら)というらしい)で地面をけって推進します。この最後、足を地面から離すときに、足指で地面をけるように意識して歩いてみます。
 
 次に今度は、つま先から着地するように歩きます。これはけっこう難しい。つま先から着地するのは、疲れにくい歩き方とのことです(FUN+WALK人気モデルと学ぶ歩き方教室〜疲れにくい歩き方編)。膝の負担が減るそうです。

§ 伸びる線をイメージして姿勢を整える

 こどもの頃、正座をするときに、「頭のてっぺんから線がまっすぐ上に伸びていて、それに頭が引っ張られているように意識しろ」と教えられたものです。これを歩く姿勢に応用します。
 
 頭から空へ向かって鉛直に伸びた線が、歩くにつれて移動していくさまを思い描きます。併せて、鼠径部の中心から鉛直に地面に下ろした線をイメージします。この線と地面とが交わる点が、まっすぐな直線上を移動していくわけです。上と下、二つの線が一直線であることを意識して、姿勢を整えます。

§ 速度に緩急をつける

 ある1ブロックを歩くとき、お尻の穴を引き締めて歩幅を広くとるようにします。速度も少し早めます。次のブロックでは、自然にゆったりと歩きます。これを繰り返します。退屈をしのぎながら距離を稼げます。

§ 身体の周りにオーラをイメージする

 そんなこんなで歩いていてもまだ目的地に着かないときは、身体の周りにオーラをイメージしながら歩きます。
 
 例えば、自分の身体の周りを巨大な大仏が覆っているようにイメージします。巨大な大仏が道を進んで行くわけですから壮観です。壮観なのですが、他人には見えません。見えませんし、ぶつかって痛くもかゆくもありません。何事もなかったかのように通り過ぎて行きます。実際には何事もないのですが、自分には大仏が見えているわけですから、その壮観さを楽しみます。
 
 その次には逆に、自分が透明人間であるようにイメージします。実際にはもちろん自分の姿は見えています。見えているのですが、すれ違う人は、まるで自分が透明人間であるかのように、自分にまったく無関心であることが分かります。

§ まとめ

 一緒に歩く人がいれば、たのしいおしゃべりの時間にもなりますが、一人で長い距離をあるくのはつらいものです。でも一人であればこそ、自分で歩きたいように歩けます。歩くのを楽しむように工夫して、退屈をしのぎます。但し、歩くのに夢中になって、人や物にぶつかったり、足首を痛めたり、大切なことを忘れたりしないようによく注意してください。