相手が道をゆずらないときは歩く速度をゆるめる 【歩き方】 単身赴任実録(7)

         

人が二人やっと通れる道を歩いている時、向こうから二人連れ並んで歩いてきて、いっこうに道をゆずる様子がない時、心配になります。そんなときは、歩く速度をゆるめます。向こうから来るのが一人で、どちらかがゆずらないと通りにくいとき、こちらからゆずってあげます。なぜなら、それがカッコいいやりかただからです。

§ 人は静止しているものにぶつからない

狭い道なのに、横に二人並んで、あるいは三人並んで歩いてくる人がいて、こちらから進んでいる自分にまった配慮する様子がない。なんだかなあ、と思います。そういうときは、歩く速度をゆるめます。相手方はおしゃべりに夢中でこちらに気付いていないのかもしれません。近寄ってきてもまったく相手にこちらへの配慮がうかがえないときは、さらに速度をゆるめます。人は静止しているものにはぶつかりませんから、相手がよけます。

§ 配慮のない人に配慮してあげる

人が二人やっと通れるくらいの道で、道のど真ん中を歩いてくる人がいます。片側へ寄って歩いていれば、すれ違う時に道幅を半分ずつ使えるのに、こちらに配慮する様子がありません。なんだかなあ、と思います。そういうときは、こちらが相手に配慮してあげて、道の端に寄ってあげます。相手が中央を歩いて、こちらがよけると、なんだかこちらが相手に屈したような気持ちになります。カッコわるい気がします。それは全く違います。よけてあげるのがカッコいいやり方です。その様子をだれかが見ていたら、こちらをジェントルマンと思い、真ん中を平気で歩くあちらの人は、世間常識の配慮のない野暮な人です。

§  見守ってくれた人へのリスペクト

それにもしかすると、自分自身がその世間常識の配慮のない野暮な振る舞いを、知らずしらずしていたかもしれません。その時、温かく見守ってくれたジェントルマンがいたわけです。こんどは自分がジェントルマンになって、野暮な人を温かく見守る番です。それが、かつて自分を見守ってくれた人へのリスペクトです。