NHKの「みんなのうた」で8月から放送されている「ツバメ~ELEVENPLAYバージョン」のダンスに引き込まれる。身体のアイソレーションを使った動きでしなやかな躍動感を際立たせている。
振り付けはMIKIKOさん。歌はYoasobi with ミドリーズ。ダンスはELEVENPLAYという女性5人のユニットである。長さは放送で見ると2分半、NHKのサイトでは前半の1分7秒を見られる。
ツバメ~ELEVENPLAYバージョン | NHK みんなのうた
§ 分離と統合、緩急
このダンスのどこに引き込まれるのか。そのわけは、つきなみだがアイソレーションの妙であろう。アイソレーションとは分離、孤立などの意味である。
体幹と脚、腕、首。脚と腕の左と右、腰と膝と足首、肩と肘と手首。それぞれが独立した動きをしながら、全景として統合されインパクトのあるフォルムを形作っている。
動きのリズムに緩急があり、斜め―直―うねりによる身体の伸縮が鮮やかさをもたらしている。
§ なめらかさと意外性
全体としてなめらかに流れていく印象をあえたる中で、節目の画面を前後の意外な動きの中に押さえていくことでイメージに精彩が加えられている。
人は思考するとき、先に受け取った情報を基にして無意識のうちにメンタルモデルを作り、次の情報を待つ。論理性を発揮する場面では、この流れに従うと心地よいのだが、感性を広げていく場合には、このモデルが裏切られることが喜びになると思う。
§ 東京五輪の幻の演出
MIKIKOさんという人を知らなかったが、著名なコリオグラファーらしい。パフュームが13歳の頃から振り付けをしていたという。東京五輪で幻となった開会式の演出を手掛けたということだ。