この休みはどこかへ散歩に行こうかな。そんな時、街角の芸術=パブリックアート=を見に行くのはどうでしょうか。麻布十番商店街には、麻布地区の大使館の協力で、世界12カ国の作家のアート作品「微笑のモニュメント」シリーズが設置されています。今回はその中から、ネズミが登場する作品をご紹介しましょう。
神宮前―青山―赤坂―六本木―麻布(JAARA)は歩くだけで楽しい街。目的があれば歩くのがいっそう楽しくなりますね。
※ JAARA(ジャーラ)は[神宮前―青山―赤坂―六本木―麻布]の街の連なりを指す造語です。
§ 実は誰でも知っている
一の橋から麻布十番商店街の南側を少し歩いて、きもの屋さんの前にあるのがこのモニュメントです。
一見して、「なんだか派手な色の時計だなあ。これがモニュメント?」と思いました。時計の横にネズミがいます。ネズミは両側にいます。
私はこれが何だか分からなかったのですが、調べてみると、英語圏の人なら「ああ!」とすぐに分かる時計らしいことが判明しました。おなかに「HICKERY DICKERY DOCK」と書いてあります。
この題名の「マザーグース」の歌に出てくる時計だったのです。いろいろ見てみると「HICKORY DICKORY DOCK」とつづるのが一般的なようです。
歌詞は、ネズミが時計をかけ上り、時計が1時を打ち、ネズミが時計をかけ下りる、というシンプルなセリフの前と後に「ヒッコリー・ディッコリー・ドック」が付いているだけです。
Hickory Dickory Dock
The mouse ran up the clock
The clock struck one
The mouse ran down
Hickory Dickory Dock
どんな歌かというと、こんな歌です。
ネズミに続いて、ヘビ、リス、ネコ、サル、そしてゾウまでかけ上ってしまうバージョンもあります。
子どもたちは手遊びをしながら歌うようです。
モニュメントのタイトルは「ピース・クロック[平和の時計](PEACE CLOCK)」。
手遊びをしながら過ごしたころ、子どもたちは平和であったことでしょう。
§ 見る目の変遷
ギリシア・ローマの時代から、ネズミは収穫した穀物を食べてしまったり、家財をかじってしまったりする害獣と認識され、中世にはペストなどの伝染病を媒介する衛生害獣として不吉な存在でした。それが近代になると、物語のキャラクターとして登場するようになりました。
「トムとジェリー」のジェリー、トッポ・ジージョなどが子供に親しまれ、そしてなによりミッキーマウスはこれまでずっと絶大な人気を博しています。頭に丸い耳のカチューシャを着けて自分がネズミになってしまう人が後を絶ちませんし、お札の裏を見て「あ!ここにもミッキーがいる!」とうれしがる人もいます。
実際のネズミに遭遇すると気味の良いものではありませんが、キャラクターとしてのネズミはかわいらしいですね。
§ ネズミのいるモニュメントのまとめ
今回はネズミの上り下りする「ヒッコリー・ディッコリー・ドック」の時計のモニュメントをご紹介しました。外国のことは知らないことが多いので、同じものを見ても外国の人と違って見えるのだなあ、ということが分かります。ネズミの存在も時代が移ると変わりました。ものの見方のバリエーションに思い至る作品でした。きょうもいい一日になりそうです。
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