【 JAARAで散歩】気鋭の書と大家の絵に圧倒される パブリックアートを見に明治神宮前<原宿>駅へ

         


 
 この休みはどこかへ散歩へ行きますか? 原宿・表参道へ行くなら、明治神宮前<原宿>駅で、気鋭の書家と大家の画家の作品を見てからスタートするのはどうでしょう。壁一面に広がる表現に圧倒されます。心がちょっと広々として、散歩の時の歩幅が広がるかもしれません。
 神宮前―青山―赤坂―六本木―麻布(JAARA)は歩くだけで楽しい街。目的があれば歩くのがいっそう楽しくなりますね。
※ JAARA(ジャーラ)は[神宮前―青山―赤坂―六本木―麻布]の街の連なりを指す造語です。

§ ポジティブワード

 東京メトロの明治神宮前<原宿>駅で、千代田線から副都心線へ乗り換える経路を進むと、正面の壁になにやらアートが見えてきます。
 

 
 書道家で現代アーティストの武田双雲さんの作品「希望」です。
 

 
 落款印が右側にあるので、字は左から右へ流れているのでしょう。「希望」と読めなくはありません(笑)
 

 
 武田さんは、ご自身のHPなどによると、1975年熊本県生まれ。3歳から書家である母・武田双葉さんに師事。東京理科大学理工学部卒業後、NTTに入社。約3年間の勤務を経て書道家として独立しました。
 映画「春の雪」、「北の零年」、NHK大河ドラマ「天地人」、スーパーコンピュータ「京」、など、数多くの題字、ロゴを手がけたとのこと。
 HPには「2008年開通の東京メトロ地下鉄副都心線、明治神宮前駅にパブリックアートとして「希望」の作品を提供」とも紹介されています。
 
 『ポジティブの教科書』をはじめ、著書は60冊を超えるそうです。 著書にも作品にも、ポジティブワード、前向きな考え方への指向がうかがえます。
 
 武田さんの公式ブログ【書の力】
 
 ウェブサイトに動画がありました。
 

§ 真摯な姿勢

 武田さんの作品の前を右に折れ、少し行くと右側にステンドグラスが現れます。
 

 
 百歳現役の洋画の大家、野見山曉治さんによる原画・監修の「いつかは会える」です。
 

 
 野見山さんは1920年福岡県生まれ。文化勲章を受章した巨匠です。1952年からフランスに滞在し、1964年に帰国後、東京芸大教授などを務めました。
 東京メトロ副都心線が開通したのは2008年6月なので、97歳の時でした。
 メイキングのビデオがありました。若々しいですね。


 
 地下鉄青山一丁目駅にも野見山さんが原画・監修をしたステンドグラス「みんな友だち」があります。
 

 
 こちらのお披露目は2020年10月で、百歳の誕生日の2カ月ほど前でした。これを見たことがある人は「同じ人だ!」とピンとくるでしょう。
 
 野見山さんの作品は博多駅、福岡空港などにもあります。
 故郷、福岡県飯塚市の新庁舎に設置されたステンドグラスのメイキング映像で「パブリックアートは、よほどの心構えでかからないと、人に迷惑がかかると思っているんです」と語っています。
 作品への真摯な姿勢に敬服します。
 

 102歳の誕生日を紹介する動画もありました。
 

§ 明治神宮前<原宿>駅のパブリックアートのまとめ

 明治神宮前<原宿>駅には、気鋭の書家と洋画の巨匠の作品が近接して設置されています。通行する人は多いのですが、流れを外れて、しばしたたずんでみるのもいいのではないでしょうか。きょうもいい一日になりそうです。
 
【 JAARAで散歩】これまでの「神宮前で散歩」
 ▽原宿・表参道の歴史と広がりをたずねて 神宮前交差点へ
 ▽並木150本に90万の光 2022冬のイルミネーションを見に表参道へ
 ▽デザイナーズマンションの先駆けを見に 神宮前の「ビラ・ビアンカ」へ