【 JAARAで散歩】おもしろい絵本と出会いに 北青山の「伊藤忠 SDGs スタジオ」へ

         

 絵本を見るのは楽しいことですね。いろいろな思いが浮かんでくることがあります。そんな絵本を集めた展示会が、北青山の「ITOCHU SDGs STUDIO」で開かれています。絵本と関連した問いかけがあり、ちょっと感がてしまいますが、絵本のおもしろさに出会うきっかけになるかも。自分で絵本を作るコーナーもあります。
 神宮前―青山―赤坂―六本木―麻布(JAARA)は歩くだけで楽しい街。目的があれば歩くのがいっそう楽しくなりますね。
※ JAARA(ジャーラ)は[神宮前―青山―赤坂―六本木―麻布]の街の連なりを指す造語です。

§ SDGsと関わるきっかけ

 地下鉄青山一丁目駅と外苑前駅の間の青山通り、その中間地点にあるイチョウ並木の西側に伊藤忠商事の本社があり、横の広場(伊藤忠ガーデン)の建物が「ITOCHU SDGs STUDIO」です。
 

 

 
 ITOCHU SDGs STUDIO の概要|ITOCHU SDGs STUDIO|伊藤忠商事株式会社
 

 
 以前はお店屋さんが入っていたところがホールになるなど、昨年の春から、建物全体が「SDGsとの関りに出会える場所」とのコンセプトになったようです。
 
 階段を降りて左側にギャラリーがあり、「えほんでへいわ?展」が開催されています。
 

 
「えほんでへいわ?展 〜絵本って、平和の参考書かも。〜」
期間: 2022年11月30日(水)~2023年2月19日(日)
時間:11:00~18:00
休館日:毎週月曜日 ※月曜日が休日の場合、翌営業日が休館。 ※12月26日(月)~1月4日(水)は休館。
料金:入館料無料
 
 えほんでへいわ?展@ITOCHU SDGs STUDIO|ITOCHU SDGs

§ 考えるヒント

 中に入ると、17冊の絵本が紹介されています。選書に協力したのは書店の「有隣堂」さん。様々な角度から「平和」にアプローチできるよう、多様なテーマの絵本を選んだということです。考えるヒントにということでしょう。
 

 
 17冊は次の絵本たちです。ひとつひとつの絵本には、それぞれに「問い」の投げかけがあります。次のようになっています。
 

『しろくまのパンツ』
tupera tupera (著)  ブロンズ新社 (2012/9/1)
問い1.みんなが自分らしくいられるためには、どうすればいいと思いますか?
 
 

『スイミー』
レオ=レオニ (著), 谷川俊太郎 (翻訳)  好学社(2013/6/28)
問い2.ひとりぼっちだと感じたとき。何をしたらいいと思いますか?
 
 

『モチモチの木』
斎藤 隆介 (著), 滝平 二郎 (イラスト)  岩崎書店 (1971/11/21)
問い3.勇気が出ないとき。どうすればいいいと思いますか?
 
 

『プラスチックマン』
きよたけいこ (著)  みらいパブリッシング (2022/9/22)
問い4.海をきれいにすると、人にとってどんなうれしいことがあるでしょう?
 
 

『ちびゴリラのちびちび』
ルース・ボーンスタイン (著), 岩田みみ (翻訳)  ほるぷ出版 (2017/1/20)
問い5.大きくなっても愛されつづけるために、大切なことは何だと思いますか?
 
 

『さかなくん』
しおたにまみこ (著)  偕成社 (2022/5/11)
問い6.落ちこんでいる友だちがいるとき。あなたなら何をしますか?
 
 

『アリューシャン・マジック』
あべ弘士 (著)  のら書店 (2022/10/20)
問い7.この星の生きものを大切にするために必要なことは、何だと思いますか?
 
 

『もうぬげない』
ヨシタケ シンスケ (著)  ブロンズ新社 (2015/10/8)
問い8.したいことがどうしてもできないとき。あなたなら、どうしますか?
 
 

『だいすき ぎゅっ ぎゅっ』
フィリス ゲイシャイトー (著), ミム グリーン (著), デイヴィッド ウォーカー (イラスト), 福本 友美子 (翻訳)  岩崎書店 (2012/11/28)
問い9.なぜ、人はだれかを抱きしめるのだと思いますか?
 
 

『ことばコレクター』
ピーター・レイノルズ (著), 中川 千尋 (翻訳)  ほるぷ出版 (2022/5/12)
問い10.自分の気持ちや考えが、うまく伝えられないとき。どうすればいいと思いますか?
 
 

『リンドバーグ: 空飛ぶネズミの大冒険』
トーベン クールマン (著), Torben Kuhlmann (原著), 金原 瑞人 (翻訳)  ブロンズ新社 (2015/4/15)
問い11.大きなことをなしとげるために、必要なことは何だと思いますか?
 
 

『ピン・ポン・バス』
竹下 文子 (著), 鈴木 まもる (イラスト)  偕成社 (1996/10/1)
問い12.町の平和は、だれが守っていると思いますか?
 
 

『しあわせなときの地図』
ズザンナ セレイ (イラスト), Fran Nuño (原著), Zuzanna Celej (原著), フラン ヌニョ (著), 宇野 和美 (翻訳)  ほるぷ出版 (2020/10/6) スペインに住んでいる人たちによる本のようです
問い13.かなしいことが起きて不安になったとき、あなたなら、どうしますか?
 
 

『きみとぼくがつくるもの:いっしょに みらいをいきていくための けいかく』
オリヴァー・ジェファーズ (著), tupera tupera (翻訳)  ほるぷ出版 (2021/6/16)
問い14.正直にあやまりたいけれどあやまれないとき。あなたなら、どうしますか?
 
 

『海のアトリエ』
堀川理万子 (著)  偕成社 (2021/5/17)
問い15.年がはなれた人となかよくするには、どうすればいいでしょう?
 
 

『ルピナスさん』
バーバラ クーニー (著), 掛川 恭子 (翻訳)  ほるぷ出版 (1987/10/15)
問い16.世の中をうつくしくするのは、だれの仕事だと思いますか?
 
 

『もこ もこもこ』
問い17.思っていることを、みんなが言い出せないとき。あなたなら、どうしますか?
谷川 俊太郎 (著), 元永 定正 (イラスト)  文研出版 (1977/4/25)
 
 
 絵本は手に取ることができ、ところどころに椅子があって、座って読むことができます。
 

 
 よく知られた絵本もありますが、スタッフの方は「つい最近に出版された本も選ばれています」とおっしゃっていました。確かにことし出版された本が4冊あります。
 展覧会のタイトルに「へいわ」というひらがなを使っているのは「へいわ」は「戦争の反対」ということだけではないよね―という意味がこめられているのでしょう。

§ 自分で絵本を創作

 会場の奥には、「自分で絵本を作ってみよう」というコーナーがあります。
 

 
 絵と文字を書くスペースとが対になっているカードが台の上に広がっています。このうちから、自分で4枚を選んでストーリーを作ってみようというわけです。
 

 
 カードの絵はAIが描いたと説明されています。「そんなことができるのですか?」とスタッフの方に聞くと、「描くことができるのだそうです」とのこと。
 いろいろな絵があります。「タッチの違う絵が混じっているので、選ぶときにとまどってしまわれるかもしれませんが…」ともおっしゃっていました。
 でもまあ、そんなことは気にせず、ちょっとやってみるのがよいのでしょう。子どもの方が得意かもしれません。

§ 外国の絵本の展示も

 外国の絵本の展示もありました。
 

 
 伊藤忠商事は、創業の地である滋賀県の図書館に、外国語の絵本を寄贈する取り組みを行っているとのことでした。2021年に続き2022年は、38カ国29言語の749冊を滋賀県立図書館に贈呈したとのことです。
 英語圏以外から来ている外国人の子どももたくさんおり、「図書館に行った時に、自分の国の言語の絵本があったらうれしいでしょうね」というスタッフの方の言葉はうなずけます。絵本は外国の駐在員の人から送られるなどしているようです。

§ えほんでへいわ?展のまとめ

 絵本は子どもも大人も楽しめます。どんな絵本を読もうかなという時、本屋さんに行くのもいいのですが、このようなリコメンドも参考になるでしょう。きょうもいい一日になりそうです。
 
【 JAARAで散歩】青山で散歩
▽スケールの大きなストリートアートを見に 北青山のブラジル大使館へ
▽明治の軍人の気概に触れる 旧乃木邸へ
▽黄金色のトンネルを抜けに 明治神宮外苑のイチョウ並木へ
▽秘密の道を抜けてパブリックアートを見る 青山一丁目駅へ
 
【 JAARAで食べ飲み】青山で食べ飲み
▽おしゃれな街で気安く食事 北青山の『青山ふーちん』さんへ
▽南青山にひっそりと存在する謎の居酒屋の原点『中西』さんへ