ひげは朝、お風呂に入ったときにそります。スムーズにそる要点は、①肌をあたためる、②石けんを泡立たせる、③カミソリが切れる―の3点です。
§ 顔をお湯に浸して温める
理髪店では蒸しタオルでひげの生えている辺りを温めてくれます。自宅のお風呂では、洗面器にお湯を入れ、それを手ですくって繰り返し当ててもよろしいし、それでは効率が悪いと思ったら、浴槽につかっているときに顔をお湯に浸します。横向きで顔の半分を浸した状態で、鼻から息を吐きながら「だるまさんがころんだ」を4回心の中で唱えます。左右2セット行います。
§ 手をもんで泡立てる
シェービングクリームは使いません。石けんを使います。洗面器にお湯をくみ、湯の中にカミソリを入れます。刃を温めるためです(すぐ温まります)。石けんを手に取り、洗面器のお湯に1、2秒浸した後、3、4回両手の中で回しながら手にすり付けます。石けんをトレーに戻し、両手をよすり合わせます。泡を立てると同時に、泡の温度が人肌になるようにするためです。その泡を、鼻の下、もみあげ下、ほほ、あご、首に塗りつけます。
§ 右手はカミソリ、左手は泡
右手を洗面器でジャブジャブ洗って石けんを落とし、カミソリを持ちます。左手はそのままにしておいて、そり進めるときに肌に石けんを補充します。
まず鼻の下をそります。上から下方向にそります。下から上にそりあげてもかまいませんが、深ぞりしたいわけでもないので、抵抗が少ないようにします。
次にもみ上げ下をそります。これも上から下方向にそります。鏡がないので起点は勘です。耳の付け根の、ほほ側のとんがっているところ(耳珠というらしい)の辺りの高さに見当をつけ、そこからそり下ろします。
次にあごをそります。カミソリを持ち直して下の方からそります。あごを尾根に見立てて、下側の斜面を尾根に向かって、中央、右、左と順にそり上げます。尾根道の部分は斜滑降のようにしてそり越えたり、尾根道に沿ってそったりします。上側の斜面を口側にそり上げます。このとき、下唇の直下の部分もそります。
石けんの泡がなくなったときは、左手で補充します。泡をこすりつけながら、そり残しがないかを確認します。手のひらの泡がなくなったら、甲に付いている泡もこすりつけます。それでも足りなくなったら、石けんをつかんで補充します。
次にほほをそります。あまり生えていないので、あごをそるついでにそり上げます。
次に口角、唇の両側をそります。この部分は形とアンジュレーションが微妙なので、ゆっくり丁寧に、慎重に、そります。
その後、念のため、鼻の直下と、上唇の直上にカミソリを当てます。そり残しが多い場所なので。
その後、首の、のどぼとけから上の辺りにもカミソリを当てます。ここもそり残しが生じることがありますので。
§ カミソリを振って水をきる
終わったら、カミソリを洗面器でジャブジャブし、お湯から上げたら4、5度振って水を切り、もとの位置に戻します。
そうしたら両手でお湯をすくって、顔の石けんを洗い流します。そのとき、そり残しに気付くことがあります。気にしません。あしたまたそります。