なんとなく、ひととのコミュニケ-ションをもう少しよくしたいなあ、というときありますよね。そんなときは、会話で「乗り突っ込み」を意識してみてはどうでしょう。いったん相手の言うことを全面的に受け入れて、その後に突っ込むというやり方です。
「ああそうか!せやったなあ……ってなわけないやろ!」というあれです。最終的には相手に突っ込む、つまり反論するわけですが、ワンクッション置くことでやりとりが柔らかくなります。
§ 乗り突っ込みとは
ノリツッコミ
会話において笑いを誘う発言をする「ボケ」と一旦調子を合わせておきながら、最後には態度を翻して「ツッコミ」をするということを意味する語。会話中にボケしかいなくなる点などがおかしみを含んでいるとされる。
実用日本語表現辞典実用日本語表現辞典
のり‐つっこみ【乗り突っ込み】 の解説
突っ込み3(漫才で、ぼけの誤りやとぼけを指摘し、主に話の筋を進める役。また、その指摘)のうち、一旦、ぼけに話を合わせつつ、間を置いてぼけの誤りなどを指摘すること。
デジタル大辞泉
というように解説されています。
§ こんなのです
実際に見てみましょう
大阪人の素晴らしさが分かります。コミュ力最高! 大阪乗り突っ込み
§ 会議の時
職場の会議で乗り突っ込みが使えないかというと、そんなことはありません。けっこう頻繁に使われています。例えば。
おっしゃるように、確かにメロンは、私たちの「感覚」としては果物です。果物の王様です。それは「感覚」としては、まったく真っ当です。まったく常識そのものです。しかしながら、農林水産省は「概ね2年以上栽培する草本植物及び木本植物であって果実を食用とするもの」を「果樹」としています。従って、一年生草本植物のメロンは野菜として取り扱われています。私たちはいまここで、「感覚」でなく何らかの「根拠」を基に仕分けをしようとしていますので…
というような具合です。
§ ネタですよね
突っ込むときは相手を否定することになります。だれでも自分が否定されると不愉快ですし、事実誤認を指摘されたときは逃げ場がありません。
そんなとき、突っ込みに「それってネタですよね!」のひと言を使います。
「その会議、去年もやったよな」
「ええええ、やりましたやりました、大会議室で。って今年初めてですよ。やだなあ、去年もやったなんて、それってネタですよね!」
「そうだよ、ネタ振ってやってんだよ」
§ ボケですよね
別のもあります。相手に自分が突っ込むわけですから、相手はボケです。
「その会議、去年もやったよな」
「ええ、ええ(中略)。それって単なるボケですよね?」
「そうそう。単なるボケだよ(ふてくされ気味)」
§ 乗り突っ込みのまとめ
相手をまず全面的に受け入れてあげる、ワンクッション置いてから否定する、あるいは反論する。そんな乗り突っ込みは、コミュニケーションを柔らかく、スムーズにしてくれるのではないでしょうか。