【 JAARAで散歩】大画面の壁画の迫力 赤坂・六本木の地下鉄駅へ

         


 
 この休みはどこかへ散歩へ行きますか? それなら街歩きをする前に、地下鉄の駅で大画面の壁画を眺めてみるのはどうでしょう。「赤坂駅」「六本木駅」「青山一丁目駅」の駅アートをご紹介します。視界に広がる迫力のあるアートから、壮大な気分を受け取ることができるかもしれません。
 神宮前―青山―赤坂―六本木―麻布(JAARA)は歩くだけで楽しい街。目的があれば歩くのがいっそう楽しくなりますね。
※ JAARA(ジャーラ)は[神宮前―青山―赤坂―六本木―麻布]の街の連なりを指す造語です。

§ 日本の四季の彩り

 東京メトロ千代田線「赤坂駅」から赤坂サカス(出口3b)に通じるエレベータの壁に、千住博さん(せんじゅ・ひろし)の「四季樹木図」があります。
 

 
 千住さんは、若くして大徳寺聚光院別院全襖絵を制作、高野山金剛峯寺の襖絵「瀧図」が日本芸術院賞恩賜賞を受けた日本芸術院会員の画家。弟は作曲家の千住明さん、妹はヴァイオリニストの千住真理子さん。
 
 赤坂周辺にも自然があることに寄せて「実際の桜を見て、絵の桜を見る。実際のイチョウを見て、絵のイチョウを見る。そんな風に現実と絵を行き交う毎日を過ごせる人々を、私は幸せだと思います」とする千住さんのコメントが銘板にあります。
 
   
 
 青山霊園の桜、梅窓院の竹林、神宮外苑のイチョウ並木などが思い浮かびます。あれま、これらはいずれも青山でした。赤坂周辺で四季を探ってみましょうか。
 
 軽井沢に千住博さんの美術館があり、そちらの紹介動画がありました。
 

 

§ 期間限定?ハリー・ポッターワールド

 エレベータを昇り切ってTBS赤坂ACTシアターに向かう階段は、ハリー・ポッターワールドでした。
 

 
 このシアターではことし7月から2023年の5月まで、TBS開局70周年記念の舞台「ハリー・ポッターと呪いの子」を上演中。そこへのアプローチです。
 
  
 
 赤坂サカスはお店もハリー・ポッターワールドでした。
 
 
 

§ 原始の鼓動

 地下鉄大江戸線「六本木駅」の六本木方面への改札には、徳永雅之さん(とくなが・まさゆき)の「PRIMAL BEAT」という壁画があります。
 

 
 徳永さんは1960年、長崎県佐世保市の生まれ。東京芸大大学院で壁画専攻を修了。
 壁画は、黒御影石、金箔、銀箔というガッツリした素材で、打楽器、弦楽器、管楽器、レコード盤なとのキャラクターを軽快に描いています。
 
 御影石の表面を、深さや質感を違えながら彫り、漆で金銀を定着させているという手の込んだ作品です。
 

 はるか昔から人間が持っている波動、拍動、躍動が伝わるようです。

§ 巨匠と駅の顔

 地下鉄銀座線「青山一丁目駅」には、洋画界の巨匠、野見山暁治(のみやま・ぎょうじ)さんの原画・監修によるステンドグラスがあります。
 

 
 大江戸線青山一丁目駅を出たところの「花鳥風月」は昔から駅の顔ですね。
 

§ 地下駅の壁画のまとめ

 地底深くまでに築かれた地下鉄の駅には大きなスペースがあります。屋外の開かれた空間にあるパブリックアートは気持ちの良いものですが、地下に広がる壁画を見るもの違った世界がイメージされて楽しいものですね。きょうもいい一日になりそうです。
 
【 JAARAで散歩】これまでの「アートを見る散歩」
 ▽気鋭の書と大家の絵に圧倒される パブリックアートを見に明治神宮前<原宿>駅へ
 ▽有名彫刻家の作品を見に南麻布の有栖川宮記念公園へ
 ▽大画面の壁画の迫力 赤坂・六本木の地下鉄駅へ
 ▽スケールの大きなストリートアートを見に 北青山のブラジル大使館へ
 ▽ロアビルの囲いの壁面に現れた「kawaii」を見に六本木へ