
ビルのエントランスにいろいろなモニュメントがありますね。その中でも、水を使った造形――水景―があると、見ていて心が癒やされます。ビルの続く都会の中に、水が流れている風景を見に行くのはどうでしょう。今回ご紹介するのは六本木の3か所。そのそれぞれに、水の流れが重なり合うような仕掛けがあります。
神宮前―青山―赤坂―六本木―麻布(JAARA)は歩くだけで楽しい街。目的があれば歩くのがいっそう楽しくなりますね。
※ JAARA(ジャーラ)は[神宮前―青山―赤坂―六本木―麻布]の街の連なりを指す造語です。
§ 水の音を聞きながらひと休み
まずは六本木ヒルズ。六本木通りからエスカレータを昇り、森タワーの前の「66プラザ」へ出ると、右側に水のカーテンがあります。

水のカーテンは広場の周縁に3つあります。防風の機能も果たしているそうです。

周縁をめぐる通路には屋根があります。近くのベンチに座れば、水の音を聞きながら一休みできます。

夜にはライトアップされます。

§ 上下に重なる水の流れ
ショップやレストランのある六本木ヒルズのウエストウオークは、建物自体がとても凝った造りです。吹き抜けのようになっているところがあり、その壁面にも水を使った造形があります。

並んだ店舗の合い間やグランドハイアット東京との渡り廊下を通りかかった時にちょっと目に入るくらいなので、目立たず、気に掛かかりにくい感じなのですが、よく見ると水の流れが二段重ねになっています。

§ ビルの内外の重なり
六本木交差点から外苑東通りを行って飯倉片町が近づいたところに、ボートレースの情報発信拠点「SIX WAKE ROPPONGI」があります。ボートレースは6艘で争うので「SIX」なのでしょう。建物の曲線がレース場の観客席を想起させます。
サイト:SIX WAKE

敷地にある右側の建物は「BOATRACE 六本木」。その正面前に「WATER WAKE」と題した水のオブジェがあります。

ボートレースのダイナミズムを表しているようですね。

上を見上げると建物のガラス外壁の内部にも水が流れていました。上下二段での水の演出です。

なかなかしゃれた構成です。

夜も雰囲気を出しています。

敷地の左側の建物は「SIX WAKE HALL」

通りに面してカフェがあり、その奥にショップの入り口があるのですが、そこにいるアンドロイドが時々首をかしげるのにちょっとびっくりします。

建物に入ってみると。

何かを放送するのでしょう。初めてお会いすると、ちょっとシュールです。
§ 階段を越えた重なり
六本木交差点から六本木通りを溜池方向へ行ったところにある高級マンション「THE ROPPONGI TOKYO」。

このエントランスの階段の横側と、階段を上った広場に、対になるように水のオブジェがあります。黒御影石でしょうか。

階段横はこんな形。

上にためた水が落ちてゆく構造です。

階段上の広場のオブジェは自立しています。

同じ面の右と左で、水がつくる模様が微妙に違っています。どんなデザインになっているのか興味深いですね。

§ 六本木の水の風景のまとめ
水を見ると懐かしく落ち着いた気持ちになりますね。生きものは原始、海から生まれたせいでしょうか。水を使った造形には配慮が凝らされているのでしょう。とめどない流れがさわやかさを届けてくれます。きょうもいい一日になりそうです。
【 JAARAで散歩】六本木で散歩
▽芸術としてのベンチとベンチとしての芸術 六本木・けやき坂へパブリックアートを見に行く
▽若手アーティストの壁画を見に 六本木へ
▽ビルの谷間の神域 六本木・麻布でタイムスリップする
▽大画面の壁画の迫力 赤坂・六本木の地下鉄駅へ
▽雨に消える透明な椅子 六本木・けやき坂のパブリックアート
▽冬のイルミネーション さまざまなシーンを見に 赤坂・六本木へ
▽デザイン・アートの街にアートを見つけに 六本木交差点へ
▽ロアビルの囲いの壁面に現れた「kawaii」を見に六本木へ
【 JAARAで食べ飲み】六本木・西麻布で食べ飲み
▽点心を心おきなく 六本木の『歩高里(ブルゴーニュ)』さんへ
▽オーガニックワインと十割蕎麦 六本木の『莉々庵』さんへ
▽食事メインでお酒もお手頃 六本木の『蕎麦六本』さんへ
▽おいしい上質の焼き鳥を食べに 西麻布の『一歩』さんへ
▽六本木の気楽な居酒屋さん 『松ちゃん』へ
▽西麻布の味わい深い焼き肉屋『胡同』さんへ
