2022年の天皇、皇后の新年メッセージ
皇室のインターネットを使った情報発信が話題になっている。では、どんな情報を発信するのか。皇室の存在を国民に納得してもらいたい皇室・宮内庁の立場としては、皇室のメンバーが「素晴らしい方々だ(徳のある方々だ)」と伝えたいのはもちろんとして、同時に、皇室が「国民のためになっている(国民は得をしている)」と伝えるのが重要だろう。「徳」より「得」の情報発信に意義があるのではないだろうか。
§ 「徳」より「得」の発信に意義
現在、マスコミの皇室報道は皇室メンバーの人柄(人徳)が素晴らしいというような「徳」を伝える内容に偏りがちだ。皇室が国民にとっての利益「得」になると分かる情報があれば、皇室の存在に納得してもらいやすくなるだろう。皇室にかかる費用と、皇室がもたらしている「お得」とを比較するのは難しい。そんな中で、人々がそれを考えるきっかけになるような情報が発信されれば、国民と皇室双方にとって意義があるのではなかろうか。
損得論議は不敬か
皇室を損得で語るのは、なんとなく、はばかられている。かつて皇室は神様の子孫とされ、天皇が「教育勅語」のような「道徳」をたれる存在だったので、その神聖な存在を損得勘定で語るのはふさわしくない、不敬にわたると思われており、現在もそれを引きずっている。
偏りがちな内容
損得で考えるのがはばかられるので、素晴らしいかどうかで考えるのだが、皇室が素晴らしくないとはこれまた言いにくい。
皇室について報じる際、皇室崇敬のメディアはもちろんのこと、女性週刊誌なども、ヒールの秋篠宮家には批判的なこともあるが、天皇家に関しては「天皇陛下は国民に心を寄せる立派な方、皇后さまは思慮深くいつくしみ深い方、愛子さまは聡明な方」というような内容に偏りがちだ。
新聞報道も、皇室のメンバーが何々をしたという事実を報じる部分には色がないが、背景にある皇室のメンバーの「考え」や「思い」を報じるとなると、「慈悲深く、聡明」という記事になりやすい。つまり、皇室の「徳」を報じることになる。
皇室を崇敬する人やスターのように考える人は記事を読むだろう。だが、関心がない、しらけるという理由で、読まない人も少なくないのではなかろうか。
世論調査を見ると、今や国民の7~8割は皇室の存在に同意している。とはいえ、皇室を熱烈に支持する人は多くはなく、皇室の廃止を求める人も少ない。おおかたの人は「どうでもいい」「いるんだったらいてもいい」と考えていると思われる。
理念より経済重視
皇室の記事は読まれなくても、経済の記事は熱心に読まれているだろう。現代の風潮は「徳(理念)」より「得(経済)」が重視される。不徳の致すところの「モリカケ桜」の疑惑があっても、アベノミクスをやってくれる人が支持されるし、旧統一協会を容認する「壺議員」が多数いても、安定が見込まれる経済運営をやってくれそうな政権が支持される。
損得で考えて、皇室が「お得」なのかどうか。積極的に知りたいかどうかは別として、知って価値のあることだ。
さまざまな「お得感」
皇室の「お得感」として思い浮かぶのは、差し当たり3つくらいある。「統合されてお得」「励まされてお得」「国際親善でお得」だ。
「天皇の存在は日本国民がバラバラにならない基盤になっている」と考える社会学者はいる。これが「統合されてお得」。
被災地で、天皇が来てくれたので元気になる人がいる。これが「励まされてお得」。
外国の元首が来た時に、利害を離れた会話ができる、あす汚職で失脚するかもしれない総理大臣より国の代表としての安定感を与えられる。これが「国際親善でお得」である。
「励まされお得」の関連として、目立たないところで頑張っている人を皇室メンバーが訪問すると世間の耳目が集まる、風化しそうな事柄を天皇が取り上げると国民が再認識する、という「気付かされのお得」もある。
まずは活動の実際を発信
そうはいっても、皇室の「お得感」を直接的に明確に発信するのは難しい。宮内庁は、皇室の活動の広報を充実させる方針という。まずはそこからだろう。
英国王室のようなツイッターでの発信を望む人もいるが、そこまで一足飛びに行かず、手始めに、ホームページをより見やすく、親しみやすくすることだ。その中で、活動の実際を伝えながら「お得感」を醸し出していく。もちろん「立派な天皇がいてよかった」というお得感も織り込んでいくことになるだろう。
費用対効果の測定はややこしい
皇室の「お得感」を考えるとき、費用対効果の測定はややこしい。なので詳細な検討もなく「皇室は税金の無駄遣い」という声が受け入れられやすい。
税金の無駄遣いなのだろうか。皇室の「統合されてお得」「励まされてお得」「国際親善でお得」は、大きなポテンシャルを持っている。
宮内庁には、皇室のポテンシャルと皇室を維持する経費、皇室が存在するデメリットについて、国民がちょっとだけ深く考える契機となるように、情報を発信してほしい。こちらの側もちょっとだけ注意深く見ていくことにしよう。
§ 雑誌の主な見出し
『女性自身』 2023年2月28日号:2月14日発売
■雅子様[59][陛下へ]兎デートお返しに 愛の干支チョコ
■佳子さま[28][両親出禁]氷の孤城 同居拒否
■両陛下が悲痛ご決断!「岸首相[65]が皇統問題放置」で全国オンライン巡幸
■紀子さま[56]有頂天!英戴冠式ご出席で「秋篠宮家がやっと世界の王族に」
◇秋篠宮ご夫妻 英チャールズ3世の戴冠式にご出席決定 宮内庁では愛子さま推す声も… | 女性自身 (jisin.jp)
記事投稿日:2023/02/14 06:00 最終更新日:2023/02/14 06:00 『女性自身』編集部
『週刊女性』 2023年2月28日号:2月14日発売
■紀子さま[56]情報発信も「世間とのズレ」[イメージ悪化]
『女性セブン』 2023年3月2・9日号:2月16日発売
■[独占]佳子さま(28)10億円ひとり暮らし豪邸に眞子さん(31)「秘密の帰国部屋」
■皇后雅子さま(59)トルコ大震災に奔走「私にできることを全力で」
§ 日誌
天皇 皇后 愛子内親王
▽2月13日(金曜)
【天皇・皇后】国連大学(東京都渋谷区)のマローン学長と面会(皇居・御所)
秋篠宮家
▽2月12日(日曜)
【秋篠宮】総裁を務める社会福祉法人「恩賜財団済生会」の総会に出席(横浜市のパシフィコ横浜)
◇秋篠宮さま済生会総会出席 「一層大きな役割を」:東京新聞 TOKYO Web (tokyo-np.co.jp)
▽2月14日(火曜)
【紀子妃】総裁を務める結核予防会の結核予防全国大会出席などのため、熊本県を訪問。熊本市のホテルで同会の研さん集会に出席
【佳子内親王】日本と世界各国の若者が船で旅をする国際交流事業「世界青年の船」の参加者ら23人と懇談(東京・元赤坂の赤坂御用地にある赤坂東邸)
▽2月15日(水曜)
【紀子妃】、熊本市のホテルで開かれた結核予防全国大会の式典に出席。合志市にある国立ハンセン病療養所「菊池恵楓園(けいふうえん)」で、入所する元患者と懇談
▽2月16日(木曜)
【佳子内親王】「現代女流書100人展」を鑑賞(東京都中央区の日本橋高島屋)
各宮家
▽2月10日(金曜)
【三笠宮の彬子女王】トルコ・シリア大地震を受け、「日本・トルコ協会」のホームページに「皆様が心穏やかに過ごせる日が一日も早く来ますことを祈りつつ、日本の地より、両国に思いを寄せ続けたい」と被災地を見舞う文書を寄せた。彬子女王は「日本・トルコ協会」の総裁
一般
▽2月11日(土曜・祝日)
【英王室】英王室は10日、5月6日にロンドンで営まれるチャールズ国王の戴冠式の公式エンブレムを発表した
▽2月14日(火曜)
【スウェーデン王室】王室は14日、カール16世グスタフ国王(76)が20日に胸部の手術を受けると公表。国王は1973年に祖父グスタフ6世の死去に伴い王位を継承し、今年で在位50年。20日から3月3日に予定されていた公式行事は延期される
宮内庁HP【天皇皇后両陛下のご日程 令和5年(1月~)】
宮内庁HP【秋篠宮家の御日程 令和5年(1月~)】
皇室ウイークリー 産経新聞
皇室7days 朝日新聞DIGITAL
これまでの【皇室の話題】
▽皇室の生きづらさとは(2023年4月7日~13日)
▽天皇の「お得感」の歴史的な変遷とは(2023年3月31日~4月6日)
▽天皇・皇室についてもやもやした時に考えてみること
▽愛子内親王の結婚報道で迷惑するのは誰か(2023年3月17日~23日)
▽天皇、皇族の行動を決めるのは前例と理念(2023年3月10日~17日)
▽天皇は男系男子でなければだめなのか(2023年3月3日~10日)
▽国際関係での皇室の「お得感」とは(2023年2月24日~3月2日)
▽皇室の存在の「お得感」とは何か(2023年2月17日~23日)
▽あるべき姿、役割をどうとらえるのか(2023年2月3日~9日)
▽佳子内親王が願う「幅広い選択肢を持てる社会」(2023年1月27日~2月2日)
▽愛子内親王の和歌に注目集まる(2023年1月20日~26日)