表参道を歩いていると、「なんとなく坂になっているよなあ」と感じます。その坂がどのようになっているか。ひと目で分かる図解がありました。現在建て替えが進んでいる「原宿クエスト」の工事フェンスです。明治神宮から隠田通りまでゆるやかに下って、青山通りまで緩やかに上っていく。なるほどなあ、と思います。
神宮前―青山―赤坂―六本木―麻布(JAARA)は歩くだけで楽しい街。目的があれば歩くのがいっそう楽しくなりますね。
※ JAARA(ジャーラ)は[神宮前―青山―赤坂―六本木―麻布]の街の連なりを指す造語です。
§ フェンスに断面図、航空写真と地形図も
原宿クエストは、原宿駅前から100メートルほどの北側です。
2025年春竣工の予定で工事が進んでいます。それでフェンスで囲まれています。
この敷地にかつて電電公社の総裁公邸があったらしく、それで「NTT都市開発」が開発しているみたいです。
■新生「原宿クエスト」着工-表参道と奥原宿をつなぎ、都市の奥行きをつくりだす-│NTT都市開発 (nttud.co.jp)
フェンスには、表参道を含む地域の断面図が描かれています。
航空写真と地形図もコンパクトに示されています。
§ 伏流水があるので湧き水がある
この断面図を見ると、関東ローム層の上を伏流水が流れているのが分かります。
この水があるので、明治神宮のパワースポット「清正の井戸」が湧いているのでした。
そして、その水が明治神宮庭園の南池になっているのでした。
§ 下り坂が続いた先に穏田川
明治神宮から東へ進むと下り坂になっています。
神宮前交差点で明治通りを過ぎても、さらに下り坂です。その様子が断面図で分かります。
下りきった谷に穏田川が流れていました。表参道沿いに「参道橋」の痕跡があります。キャットストリートの両側に石柱が立っています。
「参道橋」「さんどうはし」と刻まれています。
もちろん明治神宮への参道ではありません。穏田神社への参道でしょう。
むかしはこの辺に川の水をくむ水車があったらしく、北斎の富嶽三十六景に描かれています。「穏田の水車」です。

穏田商店会のフェイスブックの写真をお借りしました
穏田川は今は暗渠(地下を流れる川)になっています。以前は「渋谷川(旧穏田川)」でした。なので、キャットストリートは行政上は「旧渋谷川遊歩道」と称されます。
■渋谷区景観計画
§ 川の反対側は当然上り坂
川の反対側は当然また、青山通りの表参道の駅に向かって上り坂になっていきます。
表参道交差点から歩き始めるコースだと、最初は下り坂、そのうちに上り坂になるのでした。
§ 表参道の起伏のまとめ
港区には坂がたくさんあり、名前が付いた坂だけで数百あるようです。表参道は坂の名前で呼ばれませんが、坂なのでした。地形図を見て納得します。そうすると、歩くときも、よく分かって歩けるような気になります。きょうもいい一日になりそうです。
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