仕事をしていて、なんだか楽しくないなあ、と思う時ありますよね。そんな時は3つの輪について考えてみたらどうでしょう。3つの「輪」とは、「したいこと」「すべきこと」「できること」の範囲のことです。
§ 重なっているか、離れているか
3つの輪を別の呼び方にすれば、{want}{must}{can}です。これが重なっていれば、あるいは同心円になっていれば、仕事が楽しく気分ははつらつとし、やりがい・生きがいを感じます。これがバラバラだと、仕事をしていても楽しくなく、気分は滅入り、絶望的な感じにもなります。
§ 「すべきこと」から重なりを考える
ではどうしたら輪を重ねていくことができるでしょう。まず確認するのは{must}、「しなくてはならないこと」です。ここに他の2つを重ねていくことを考えます。
§ 現状を分析する
この{must}が悩みのタネです。そこで、これがどうして「そのようにある」のか、分析します。究極の目的にさかのぼります。
たとえば、ものを売る商売であれば、ものを売って「もうける」ことが最終目的です。この最終目的のために、「商品を企画する」「製造する」「販売する」という部分があり、そのうちの「販売する」なら、「何を」「誰に」「どのように」「どのくらい」というように考えが進められていくわけです。
販売する「期間」や「数」などの目標が設定され、やりかたの「形式」が定まります。これらが達成できないのが悩みです。これらは、もとはといえば、「ものを売ってもうけるという最終目的」から始まって、理屈を積み重ねてできているものです。その理屈の積み重ねが納得できるのか、を分析します。
§ その理屈とは何か
その理屈とは何かを考えると、違っているかもしれません。「誰に何を」が違っているかもしれません。「価格の設定」が違っているかもしれません。セールスの「形式」が違っているかもしれません。その違っている「形式」を押し付けられていることに息苦しさを感じているのかもしれません。
§ クリエイティブなあり方
セールスをやっていてものが売れない。なぜが売れないのか。実際にセールスしている人のやりかたや能力以外のことがあるかもしれません。性能と価格が他社と比べて見劣りしているかもしれません。お客さんは別の性能を求めているのかもしれません。アフターサービスが手薄なのかもしれません。
変えたい点が見えてくるではありませんか。それが見えたとして、直接、すぐに、変化を生じさせることができなくても、考えて見えてきたことは「最終目的」に向かっています。新しい道筋をつくるということは、クリエイティブだということです。
クリエイティブであることは{want}でしょう。それに取り組むことは{can}を発揮しているということです。さらにまた、その新しい筋道に、もっと別の{want}や{can}を織り込んで、{must}と重ねることを追求します。
§ そもそも間違いなら……
ただ、いま携わっている仕事の「最終目的」がそもそも間違っている、ということがあるかもしれません。そのような場合は、仕事について根本的に考え直すことになるでしょう。こうした結論も、分析していくことでわかってくるでしょう。
§ 3つの輪のまとめ
{want}{must}{can}この3つをよく確認、検証します。そして仕事の最終目標へ向かう手順を分析します。この3つの重なりには、いろいろな形があるでしょう。輪の位置や大きさも考慮します。3つの輪が、少しでも重なりますように、近づきますように。